イビコンは、創業から50年の節目に社名と理念を新たにしました。掲げた理念は、「人を育み、街を潤す」。それは、過去の延長ではなく、これからの時代にふさわしい“経営のあり方”を再定義した言葉です。
私たちはこれまで、社会を支えるコンクリート製品を通じて、形あるものをつくり続けてきました。けれども、社会が成熟するにつれて、求められるのは“モノ”ではなく“意義”だと感じています。ものづくりの先に、人の成長や地域の豊かさがなければ、それは本当の意味で社会を潤すことにはなりません。
私が目指しているのは、「人と資源を生かす経営」です。モノも人も、使い捨てるのではなく、何度でも再生させていく。製造と再生を繰り返すスパイラルの中で、企業は成熟し、社会もまた新しい循環を得ていく。この「生命のような経営」が、イビコンのサステナビリティ経営の中核にあります。
いまの社会は、効率やスピードを追うあまり、“消費する経営”に偏ってきたのかもしれません。しかし、本当に必要なのは、“生かす経営”だと私は考えます。人を育て、関係を紡ぎ、街に潤いをもたらす。この循環をつくり出すことこそ、企業の持続的な価値だと思うのです。
イビコンの経営は、数字や成果を追うだけではありません。人が成長し、互いに支え合いながら、新しい価値を生み出していく――そんな生命的なリズムを、会社という組織の中に取り戻していくこと。それが、私たちが実現したい「人を育み、街を潤す」経営の姿です。
これからの時代、企業の存在意義は「何をつくるか」よりも、「どう生かすか」に問われるのだと思います。イビコンは、経営という営みそのものを通して、人と街の未来を潤す企業であり続けたいと願っています。
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